10年前に当社でかなりこだわってデザインした物件ですそして10年後、横のテナントが空いたので「拡張したい」との事でした

だからこそ、悩みました。15年先を考えてデザインしただけに、それから10年先を考えてデザインしなければならないからです。
今から10年後はどんなデザインが流行っているだろう？
かなり、色々なパターンを考えました。そして出た答えがこのデザインです。

前回もそうですが、佐治先生の所の工事は未来を考えるポイントになります。
これから数年、少しラグジュアリーな雰囲気の歯科医院が増える。具体的に言えば、黒や濃い色をメインとした配色だ。
過去、バブル期がそうであったように、現在もそう言った配色が増えつつある。それは「終わりの始まり」
それにみんなが飽きた頃、次に来るのは癒やしや優しさ、ホスピタリティーだ。
そういう意味で、紺の大胆な配色をしていたが、それをガラッと変え優しさを演出する木目と間接照明にした。
直線を基調とした歯科医院では無く、曲線を基調とした天井のライン。

そして改装が完成して先生が一言「前からこんなデザインみたいで、しっくりきますね！」と。
心の中で私は「もちろん。そうデザインしましたから」と呟きました。

その他に特徴的なのは、10年前の家具にもかかわらず、そのまま使えた事だ。10年前、相場よりも高い値段でしっかりした物を作った。だからこそ、改装の時にも導入コストを抑える事が出来た。
先生の先の先を考えてこそのデザインであり、それが私たち歯科業界に関わる者の仕事になってくると感じます。